【やってみた】LINEで絵画買取り業者に査定依頼!

絵画を売りたいと思ったときに検討したいのが、実際に業者に持ち込む手間が省けるインターネットでの査定申し込み。中でも、LINEを使った査定依頼は対応する業者も多く、スマートフォンで撮影した絵画をそのまま送って査定を始められる手軽さが魅力です。

でも「ちゃんと査定してくれるの?」「やり取りが面倒じゃないの?」といった不安もあるはず…。
そこで今回、LINE査定を受け付けている6社に、実際に作品の査定を依頼し、査定額の差や対応、やり取りの特徴を比較してみました。結果やいかに!?

※画像左クリック(タップ)で各社とのやりとりをご覧になれます!

A社
B社
C社
D社
E社
F社

A社

A社

とにかく親切!
査定額も「言い切り」があり安心

他社と圧倒的に違ったのは、終始のやり取りが、徹底した顧客目線だったこと。鑑定委員会についての情報や、無料で鑑定代行も可能な旨、教えてもらえたのはA社のみでした。

また、宅配買取についての問い合わせに対しても、一連の流れをわかりやすく説明の上、「箱などがなければ、箱と梱包材をお送りします」とのこと。
こうした申し出をしてもらえたのもA社のみ。

査定額についても、相場と比べてやや高値で、作品ごとに算出の上「最低のご提示額です」と言い切ってもらえたので、「ここなら信頼できる!」と実感できました。

B社

B社

「他社の査定額が影響するの?」という不思議

次に紹介するB社が、いきなり最初に聞いてきたのが「売却する気があるのか」「他業者との相見積もりはしているのか」ということでした。もちろん大事なことではありますが、こちらとしては「まず作品そのものについてのやり取りじゃないのか…?」と感じてしまいました。

1時間ほどで出てきた査定額は、「2点合せて200~300万円」とかなりの幅があり、しかも相場から言っても少々低い額でした。その後、フォローのメッセージをくれるなど、細かな対応はありがたかったものの、そこでもやはり他社の査定を気にしている様子。

競合次第で査定額が変わるの?という疑問を感じてしまい、正直なところプロとしてのスタンスを疑ってしまいました。

C社

C社

丁寧な対応ながら「言い切り」がなかったのが残念

対応が丁寧で好感を持てたのがC社。写真を送り、数回のやり取りの後に、A社同様、きちんと作品名を明記、他社と比較しても適正と思える査定額を提示してくれたのも、とてもありがたい対応でした。

ただ一つ気になったのは、「実際に拝見し状態により金額が上下する可能性がある」という一言。落款部分の画像を求めるなど、真贋を判定してくれようとしているのは理解できます。

しかし、ちょっと厳しいことを言えば、このクオリティの写真(スマホでの撮影・高解像度)で作品の状態を見極められず、含みを持たせる査定結果しか出せないであれば、「LINE査定」を謳うのは、無責任では?と。

B社に対しても感じだことですが、査定額に幅を持たせているのですから、そこは言い切ってほしかったと思います。

D社

D社

鑑定書の有無次第で切り捨てられてしまう無念

D社の場合、作品の画像を送った後の最初のコメントが「鑑定書などはございますでしょうか」というもの。そのコメントへの返信として鑑定書が見つからない旨を伝えたところ、「鑑定書がないと取り扱いできない」と切り捨てられてしまいました…。

買い取りをする業者の立場からすれば、確かに鑑定書がない場合は査定が難しいという部分はあるかもしれません。

でも、LINE査定というものにしか頼れない人、そして絵画買取に対して不安を抱えている人が利用していることを考慮してほしいというのが正直なところ。

絵画買取りを謳っている業者であれば、少なくとも「鑑定協会」についての情報提供をするぐらいのことは可能なはず。査定と併せて鑑定もできる専門家がいる、というのも珍しくないはずです。

とにかく「不親切だなぁ」というイメージが強く残りました。

E社

E社

フリーコールへの誘導でおしまい、は論外

LINE上で名前、住まいの都道府県、作品名などの必要項目を画像と合わせて送ることで査定を受け付けてもらえるE社。

こちらから作品の画像を送ったところ、その最初の返信が驚くことに「フリーコールにお電話ください」との誘導で終わり。

電話ではなくLINEを利用して査定をお願いしているこちらの事情などお構いなし、顧客の状況には一切配慮をしてくれていないと受け止めました…。

F社

F社

思い入れのある作品を扱う姿勢に疑問

F社のLINE査定、画像をご覧いただければわかりますが、やり取り以前に自動返信の定型文やらバナーが多すぎます…。

そのバナーの内容も、「2点以上の査定で買取額アップ」とか「キャンペーン毎月開催」とか…。そういうことは、価格が確定している商品の量販店などがやることでは?

こちらは、思い出も詰まった絵画を、せめて適正に売却したいだけです。つまるところ、顧客に対して「その他大勢」感を持って接していることを強く感じさせるやり取りでした。

しかも、結局LINEで送った写真だけでは、査定額も提示されませんでした。これでLINE「査定」とは…。

結局、A社さんに、同絵画の買取りをお願いしました!

6社に査定を依頼し、そのやり取りと査定額を踏まえた結論として、買取り依頼を決めたのは、A社「美術品・絵画買取センター」 さんでした(他社に関する実名は伏せますが、やりとりの内容については参考になれば幸いです)。

決めた理由として、高い査定額を出してもらえたことはもちろん、徹底した顧客目線で対応いただけたことでした。様々な事情で、「はじめて絵画や美術品の買取りを依頼する」という顧客の親身になって、あらゆる不安を解消してくれたのは同社だけだったと思います。

結果的に宅配での買取りをお願いしたのですが、無料鑑定の上、LINEで提示されていた金額より少し高値で買い取っていただくことができました!担当者さん曰く、「弊社では、原則として最初の査定額が買取価格です。後から理由をつけて減額することはありません」とのこと。親切・丁寧なやりとり、目利き力、誠実な姿勢、すべてにおいて大満足しています。

LINEは顧客にとっても業者にとっても、手軽な手段ではあります。しかし、業者側がその手軽な部分にしか目がいかないと、「なぜLINEを利用しているのか(せざるを得なかったのか)」という、顧客側の事情を軽んじることとなります。

今回のケースのように、現物が遠方にあったり、詳細部分を再度撮影して送ることができなかったり、顧客側にはさまざまな事情があります。そういった個別の事情に寄り添えない業者とのやり取りには、単に顧客名簿を増やそうとしているだけでは?という印象を持ちました。

手軽なLINEを査定手段として提供してもらえるのは売り手側にとって、嬉しいことではあります。でも、LINEならではのメリットや利便性、ましてや信頼そのものを危うくしてしまうのであれば、同サービスを展開する意味はないのでは?という印象を受けた結果となりました。

余談ですが、HPからのオンライン査定も、ちょっとだけやってみました

LINE以外の手軽な手法として、PCによるオンライン査定もちょっとだけ試してみました。各業者の公式WEBサイトにある「専用フォーム」からアプローチしてみました(個別のやり取りは省略します)が、そのときに気がついたことをいくつかお伝えします。

【電話番号の入力がマスト】
フォーム上で、電話番号入力欄が必須項目になっている業者があったのですが、フォームを送信後1時間も経たないうちに、ガンガン営業電話がかかってきました…。平日の日中、そして週末には朝から…。仕事の不規則さもあり、電話でのやりとりが難しくてオンラインで査定依頼をしたのに…という事情は、どうやら酌んでもらえなかったようです。

【メールならではの体温】
LINEの限られた文字数とは違い、メールでのやり取りでは、相手の気持ちなどがちょっと垣間見えた部分がありました。たとえば、某社の返信メールにあった一文ですが、「大切に飾って頂ける方の手に渡すことができれば」というひとことは、売り手側としてはちょっと嬉しいなあ、と思いました。

【返信メールなし】
査定を申し込むために送ったメールに、返事が来なかったのはちょっとショックでした。これはもしかすると、フリーメールからの送信が先方のメールボックスで迷惑メールに入ってしまったのかもしれません。

でもそういうことが起きないためにやれることはあるはず。PCが苦手な人にとっては、一生懸命書いたメールに返信が来ないのは、かなりのマイナスイメージになるはずです。

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