草間彌生は、水玉やかぼちゃのモチーフで世界的に知られる現代美術家です。100歳に近い現在も精力的に創作活動を続けており、その作品は国際的なアートマーケットで高い評価を受けています。
近年、アジアを中心とした新興富裕層の台頭により、草間作品への需要はさらに高まっています。オークションでは、数億円の落札価格を記録することも珍しくありません。
こういった背景から、版画作品の需要も右肩上がりの状況が続いており、この傾向は今後も続くものと予想されています。
本ページでは、草間作品を所有している方に向けて、売却時に押さえておきたい5つのポイントをまとめてみたいと思います。
1. 売却と買取の違い
美術品を手放す際に、「売却」と「買取」という似た言葉がよく使われます。同じ意味で使われることも多いのですが、実はこの二つには微妙な違いがあります。
買取とは、美術品買取業者が作品を直接購入する方法です。査定額がその場で提示され、合意すればすぐに現金化できるというメリットがあります。
一方、売却には仲介のニュアンスが含まれます。つまり、業者を通してオークションなどへ出品するわけです。この場合、複数の入札者による競争により、当初の査定額を上回る価格で落札されることも期待できます。
買取と売却、どちらがご自身の状況に適しているか。また、依頼を検討する業者が買取専門か、両方に対応しているか。相談の前に調査・検討しておくことをおすすめします。
2. 人気の作品ジャンル
草間彌生の創作意欲は、ジャンルに縛られません。絵画、彫刻、インスタレーション、版画など、その表現方法は多岐にわたり、作品数も膨大です。
一般的に、大型の絵画や立体作品ほど高価になる傾向がありますが、輸送や保管が難しく、展示スペースも必要なため流通数は多くありません。また、購入できる層も限られています。
一方で、版画作品は比較的扱いやすく、価格帯も幅広いため、コレクターの裾野が広く全般的に人気が高い傾向にあります。特にシルクスクリーンやリトグラフといった版画技法による作品は、エディション番号が付いており、数も多いため市場での取引が活発です。
また近年では、比較的小型のアクリル画やドローイング作品も、手の届きやすい価格帯として注目を集めています。
3. 人気のモチーフ
草間彌生の作品といえば、やはり「かぼちゃ」と「インフィニティネット(無限の網)」の人気が圧倒的に高いと言えます。
黄色地に黒い水玉模様のかぼちゃは、草間作品の象徴として世界中で認知されており、絵画、彫刻、版画を問わず高い需要があります。かぼちゃモチーフは、作家が幼少期に祖父のかぼちゃ畑で遊んだ記憶に基づいており、彼女にとって愛情と救済の象徴となっています。
一方、インフィニティネットは、細かい網目が画面全体を覆う絵画シリーズで、1950年代後半から現在まで制作され続けている代表的なシリーズです。この繰り返しのパターンは、彼女の幻覚体験と深く結びついており、作家の精神世界を表現したものとして高く評価されています。
これらの代表的なモチーフを含む作品は、特に査定額が高くなる傾向にあります。
4. 高価査定のポイント
一般的には、絵画の保存状態は査定額に大きく影響を及ぼします。額装はある方が良く、またカビや退色、ひび割れといったダメージは少ない方がより高値がつくでしょう。
ただ、状態を良くするために自分で修正するのは、ほぼ確実に失敗するため控えた方が無難です。
また、作品の真贋を判定する資料の有無も査定額に影響します。鑑定書や保証書、領収書、展覧会の図録などです。
特に草間彌生作品の場合は、株式会社草間彌生による作品登録の有無が、真贋を判断する大きな助けとなります。同社では、作品を登録作品リストに記録し、公式の登録カードを発行しています。この登録カードには登録番号と作品タイトルが記載されており、その作品が正式に登録されたものであることを証明します。
登録カードは鑑定書ではありませんが、買い手にとって真贋を判断する重要な手掛かりとなるため、査定額に大きく影響します。未登録の作品を所有している場合は、売却前に登録申請を検討する価値があります。
登録は、作品所有者本人または書面で委託を受けた代理人のみ申し込み可能です。登録代行サービスを用意している美術品買取業者もありますので、手続きが不安な場合はそういったサービスを利用する方法もあります。
5. 主な査定方法
美術品買取の査定には、主に店頭査定・出張査定・オンライン査定という3つの種類があります。
店頭査定は文字通りお店に作品を持参して査定をしてもらう方法で、出張査定は鑑定士に自宅あるいは指定の場所に訪問・査定してもらう方法です。
いずれの場合も、即日現金化できるのがメリットです。ただ移動の手間がかかるだけに、買取を断る場合の心理的なハードルが上がるという側面もあります。
近年、そうした査定に掛かる時間や手間を軽減するために、オンラインで査定を請け負う業者も増えています。
具体的には、業者のフォームやメールで必要な情報を送付し、ざっくり見積もりしてもらうような形です。中にはLINEを通して手軽にやり取りが行えるケースもあります。
仕事や家事で忙しく時間が取れない方や、気軽に価値を知りたいという方は、こうした手段を試してみることをおすすめします。
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